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包括的な技術情報

日常生活におけるリゾチーム:食品などへの存在

リゾチーム(科学的名称:N-アセチルムラミダーゼ)は、卵白や牛乳、涙液、唾液など、さまざまな体液や組織に豊富に存在する天然酵素です。100年以上前にアレクサンダー・フレミングによって発見されて以来、リゾチームはその抗菌活性だけでなく、食品、飲料、包装、さらには家庭用品など、日常のさまざまな製品に広く利用されていることで有名になりました。

本稿では、リゾチームが日常生活にどのように存在しているかを包括的に解説し、食品システム、消費者製品、公衆衛生分野における多面的な役割に焦点を当てます。

リゾチームの自然界での存在

リゾチームは、無脊椎動物から哺乳類まで幅広い種において、自然免疫系で重要な役割を果たす高度に保存された抗菌酵素です。その広範な分布と一貫した機能性は、微生物侵入に対する第一線の防御としての進化的重要性を示しています。

卵白には高濃度のリゾチームが含まれています。

このように、リゾチームが生体液や免疫細胞に広く戦略的に分布していることは、宿主防御におけるその重要な機能を反映しています。鳥類から哺乳類まで種を超えて保存されていることは、分子レベルおよび細胞レベルで免疫防御を担う天然の抗菌因子としての進化的意義を強調しています。

食品・飲料分野での役割

食品・飲料分野でのリゾチームの応用。図1. リゾチームは食品保存に利用できます。(Bergamo and Sava, 2024)

食品包装・保存システムにおけるリゾチーム

栄養と食事性曝露

農業・動物飼料用途

家庭・バイオエンジニアリング・診断分野での応用

安全性・アレルゲン性・規制

リゾチームは多くの国・地域でGRAS(一般に安全と認められる物質)として、食品、飲料、バイオ医薬品用途で認可されています。ただし、

アレルギー体質の方に配慮した非卵由来リゾチームの開発も進められています。

おすすめ製品

まとめると、リゾチームは単なる生体酵素にとどまらず、自然と応用技術をつなぐ分子の架け橋です。その広範な利用にもかかわらず、アレルゲン性やグラム陰性菌への効果範囲の限界など課題も残ります。製剤技術、代替供給源、材料科学の革新により、リゾチームの用途は日常生活でさらに拡大し続けています。クリーンラベル製品、持続可能な原料、天然保存料への需要が高まる中、リゾチームは独自の地位を占めています。その分子パワー、安全性、多分野での応用性は、現代の食品科学、農業、バイオテクノロジー革新の礎となっています。

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参考文献:

  1. Bergamo A, Sava G. Lysozyme: a natural product with multiple and useful antiviral properties. Molecules. 2024;29(3):652. doi:10.3390/molecules29030652