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包括的な技術情報

イオンポンプ

生物学において、細胞膜上の一部の膜貫通酵素は一次イオンポンプとして機能し、能動輸送機構に関与して、濃度勾配に逆らってイオンを形質膜越しに移動させる。これらの一次イオン輸送体は、ATP、太陽光、その他の酸化還元反応など多様なエネルギー源からのエネルギーを、電気化学勾配に蓄えられた位置エネルギーへと変換し得る。この位置エネルギーはさらに、イオンチャネルやイオンキャリアなどの二次輸送体によって利用され、さまざまな動的な細胞内プロセスを駆動する。

分類

イオンポンプは、12の輸送体ファミリーから成る輸送体スーパーファミリーとして分類される。本ファミリーは、国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)により承認されているTransport Classification(TC)システムの一部であり、輸送機構、利用するエネルギー源、輸送基質、ならびに各タンパク質を構成するDNA配列などの特性に整合する形で区分される。最も重要な共通因子は基質が帯電している点であり、これは中性分子ではなくイオンの輸送であることを示す。

Ion Pumps

イオンポンプとイオンチャネルの違い

イオンポンプはイオンチャネルと本質的に異なる。2つの異なる領域におけるイオンまたは化学分子の濃度差は、電気化学勾配または濃度勾配を生じ得る。平衡状態では、両領域のイオン濃度は等しい。濃度差が存在する場合、イオンは濃度勾配に沿って、すなわち高濃度から低濃度へ「下り」方向に移動する傾向がある。イオンチャネルは、チャネルに適合する特定のイオンが受動輸送により自身の濃度勾配に従って移動し、細胞膜両側の濃度を均一化することを可能にする。これに対し、イオンポンプはATPなどのエネルギー源を用いて濃度勾配に逆らってイオンを駆動する能動輸送を担う。この段階で生じたエネルギーは、二次輸送体や他のタンパク質によりエネルギー源として利用され得る。

エネルギー源

a. 一次輸送

一次輸送体は通常、ATPをエネルギー源として用い、Na+、K+、Ca2+などのイオンを細胞膜越しに輸送して濃度勾配を形成する。この輸送はまた、植物における電子伝達系など、さまざまな機構を介してATPを生成することも可能である。

ATPを利用する輸送体は、ATPに含まれるエネルギーを濃度勾配という形の位置エネルギーへ変換できる。この過程では、ATPが用いられ、低濃度から高濃度へイオンを輸送する。P型ATPアーゼは、リン酸化を介してNa+、K+、Ca2+イオンを輸送する代表的なATP消費酵素であり、主としてJanus kinase-2により制御されるNa+/K+-ATPアーゼや、ADPおよびATP濃度に高い感受性を示すCa2+ ATPアーゼなどが含まれる。陰イオンを輸送するA型ATPアーゼ、ならびに広範な分子群を輸送するABCトランスポーター(ATP-binding cassette transporter)もATP消費酵素に含まれる。さらに、ATP産生型輸送体は、ATP利用型輸送体とは逆に、勾配に従って高濃度から低濃度へイオンを輸送する。この過程では、濃度勾配という形の位置エネルギーを用いてATPが生成される。動物のミトコンドリアでは、ATPはATP合成酵素としても知られるF型ATPアーゼにより合成される。V型ATPアーゼはF型ATPアーゼと逆の機能を有し、ATPを加水分解して植物におけるプロトン勾配を形成し得る。例えば、葉緑体における光合成過程では、リソソームがV型ATPアーゼを用いて小胞または植物液胞を酸性化し、これはpH調節など多様な機構により制御され得る。

b. 二次輸送

二次輸送体も、低濃度から高濃度へイオンを輸送する。しかし、ATP由来のエネルギーによって濃度勾配を形成する一次輸送体とは異なり、二次ポンプは一次輸送体が生み出した濃度勾配に由来する位置エネルギーを利用してイオンを輸送する。ナトリウム-塩化物共輸送体のようなシンポーターは、あるイオンをその濃度勾配に従って輸送しつつ、第二の分子の輸送を同方向に共役させる。一方、アンチポーターは濃度勾配を利用し、反対方向に輸送される分子の輸送を共役させる。

イオンポンプの制御

イオン輸送体の制御は、アロステリック阻害または活性化、イオン濃度に対する感受性、ならびにリン酸化など、さまざまな方法で達成され得る。制御リガンドはアロステリック阻害を介して制御部位に結合し、輸送体を阻害または活性化する。溶液中のイオン濃度(必ずしも当該輸送体が輸送するイオンに限らない)も、イオン輸送体を制御し得る。例えば、溶液中のH+イオンの存在は電子伝達系を制御する。プロテインキナーゼによるリン酸基の導入、またはホスファターゼによる脱リン酸化は、輸送体の活性を変化させ得る。リン酸基付加による輸送体の活性化または阻害は、特定のタンパク質によって規定される。